道徳には巨大な人工の山があった!?「道徳観音山」の跡地を辿る歴史探訪
閑静な住宅街のなかに、昔ながらの風情が漂う道徳の町。落ち着いた雰囲気を感じますが、過去には巨大な人工の山があり、名古屋市初のスケートリンクが建てられるなど、観光地として発展していました。
かつての観光地スポットやレトロな道徳の町並みを散策して、名古屋の一大観光地として栄えた面影を探してみましょう!
昭和初期に栄えた「道徳観音山」とは?
昭和初期、「道徳観音山」という人工の山があったことをご存知でしょうか。現在では閑静な住宅街となっていますが、その跡地の南側には「観音公園」があります。園内の看板には、当時の写真や観音山の歴史が記されているのです!
昭和3年から昭和39年まで実在していた観音山は、当時の地主である名古屋桟橋倉庫株式会社が建設。道徳学区のシンボルとなるものを作ろうとしたのだとか。高さ約18mの山には頂上へと続く散策コースもあり、山頂には高さ約6mの観音像がまつられ、展望台からは伊勢湾を眺望できたのだそうですよ。
観音山の麓にまつられていたもうひとつの観音像は、名古屋市南区にある東昌寺に移設され、現在は「道徳観音」としてまつられています。
地主の名古屋桟橋倉庫株式会社の解散に伴い、観音山は昭和39年に山頂の観音像とともに取り壊されました。
山の中は観光客でにぎわうレジャー施設だった!?
なんと観音山の内側はくりぬかれており、山の中には娯楽施設が設置されていたのだそう!
当時、名古屋市初だった屋内型スケートリンクのほか、高さ約12mから流れ落ちる滝、さらには子どもたちが楽しめるプールなど、レジャー施設として大いに賑わっていたようです。
観音山付近には大規模な温泉施設「泉楽園」もあった!
時を同じくして、昭和初期の道徳エリアには「泉楽園」という温泉施設もあったのだとか。観音山のすぐ近くに作られたこの施設は、名古屋桟橋倉庫株式会社が東邦電力株式会社(のちの中部電力株式会社)とともに、“名古屋新名所”と銘打って開業しました。
施設には本館となる建物だけではなく、庭園や離れ座敷など大規模なものだったそうですよ!20部屋以上の客室や3種類の風呂場のほか、児童遊園場、小鳥園といった娯楽施設も充実していたようです。
泉楽園は活気あふれる名古屋の一大観光施設でしたが、戦災により焼失。現在の温泉跡地は「泉楽公園」として形を変え、地元住民に親しまれています。
かつての面影を感じる道徳の町並みを散策しよう!
現在の町の姿とはまた違い、観光地として盛り上がりをみせていた道徳エリア。跡地となった場所を巡り、当時の町のにぎわいや風情を感じて思いを馳せるのもいいですね。さらにここでは、道徳の歴史ある史跡や注目スポットについて紹介します。
道徳の歴史を感じるスポットはほかにも!
「道徳」の由来や見どころ
レトロな町並みが残る道徳エリアは、過去に映画撮影が行われたことも。さまざまな文化を取り入れ、娯楽施設を誘致したことで多くの人が集まるハイカラな町だったそうです。
>>「道徳」の由来や見どころとは?町の紹介記事はこちら
https://mina.nagoya/magazine/area/walk/doutoku-syoukai/
道徳銀座商店街
昔ながらの雰囲気が感じられる「道徳銀座商店街」は、名鉄常滑線道徳駅前のメインストリートです。かつては映画館や酒場などが立ち並び、人の集まる町だったのだそう。現在でもにぎやかな町の面影が残っています。
>>「道徳銀座商店街」についての詳しい情報はこちら
https://mina.nagoya/magazine/area/walk/doutoku-ginza/
道徳稲荷社
200年の歴史をもつ「道徳稲荷社」も見どころのひとつ。この神社は農作の富を祈り、戦火や災害を乗り越えながら地域を見守ってきました。道徳エリアへ訪れたなら、ぜひ一度参拝してみてはいかがでしょうか。
>>「道徳稲荷社」についての詳しい情報はこちら
https://mina.nagoya/magazine/area/walk/doutoku-inarisya/
道徳の歴史を感じたあとは、現在の町の魅力に触れよう
道徳の町を散策したら、地元で愛される飲食店でひと休みするのもいいですね。
喫茶シエスタ
50年以上続く「喫茶シエスタ」は、家庭的であたたかい雰囲気のお店。コーヒーやトーストだけでなく、喫茶店にはあまりない定食メニューも楽しめます。季節を感じる日替わり定食や野菜中心の体にやさしい料理は、お腹も心も満たしてくれるでしょう。
>>「喫茶シエスタ」についての詳しい情報はこちら
https://mina.nagoya/magazine/area/shop/kissa-siesta/
缶詰酒場ARAJIN
「缶詰酒場ARAJIN」は名前の通りお酒と缶詰が楽しめるほか、手作りのアレンジ料理にも力を入れているのだとか!さらに、17:00~20:00限定で2杯目以降のドリンクが10円になるハッピーアワー企画など、お得なサービス満載のお店です。
>>「缶詰酒場ARAJIN」についての詳しい情報はこちら
https://mina.nagoya/magazine/area/shop/kandume-sakaba-arajin/
昭和初期に観光地として栄えた道徳エリアは、令和となった現在も、魅力的なスポットやお店が盛りだくさん!歴史探訪のあとに、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。